組織・人材マネジメント
クライアントと共に前向きな気持ちを醸成し、構造的なアプローチでDX推進支援
経営をどう支援していくのか、その問いに決まった解はありません。特に昨今のAIの進歩と普及により、コンサルティングファームが培ってきたナレッジと、それに基づくソリューションそのものの価値は薄れつつあります。そうした変化のなかで、会計の専門的知識を駆使し、グローバルに事業を展開する企業の経営管理の高度化に伴走したのが、KPMGコンサルティングのFinance Strategy & Transformation(FST)部門です。FSTは、経営管理や財務・会計領域の課題解決を一貫して支援しています。本プロジェクトを担当した4人のメンバーの言葉から、新しい時代のコンサルタントのあり方、そしてKPMGコンサルティングの魅力に迫ります。
経営をどう支援していくのか、その問いに決まった解はありません。特に昨今のAIの進歩と普及により、コンサルティングファームが培ってきたナレッジと、それに基づくソリューションそのものの価値は薄れつつあります。そうした変化のなかで、会計の専門的知識を駆使し、グローバルに事業を展開する企業の経営管理の高度化に伴走したのが、KPMGコンサルティングのFinance Strategy & Transformation(FST)部門です。FSTは、経営管理や財務・会計領域の課題解決を一貫して支援しています。本プロジェクトを担当した4人のメンバーの言葉から、新しい時代のコンサルタントのあり方、そしてKPMGコンサルティングの魅力に迫ります。
本プロジェクトはグローバルに事業を展開する海運企業に対し、経営管理の高度化を支援するプロジェクトです。クライアントは、経営目標の達成に向けて全社として目指す経営管理の考え方がある一方で、その方針が各事業の運営に十分に反映されておらず事業ごとに異なる運用が行われていました。その結果、全社方針と事業運営が十分に連動せず、経営目標の達成に向けた一体的なマネジメントが難しい状況にありました。本プロジェクトでは、全社の経営管理方針と事業運営をつなぎ、一体的に管理・推進できる経営管理の仕組みづくりを支援しました。
海運業界は、地政学リスクや資源需給変動等の影響を受けやすく、短期的には運賃や燃料価格といった市況変動による業績のボラティリティが高い業界です。一方で、世界経済を支えるインフラとして中長期的な成長が期待されている業界でもあり、クライアントは船舶をはじめとする大規模な投資を継続的に実施しながら企業価値の向上を目指しています。そのため、短期的な業績に目を向けるだけでなく、投下資本も踏まえた中長期的な価値創出の観点から経営を管理することが重要となります。
こうした背景から、クライアントではROIC経営の導入を推進していました。昨年はその第一歩として、EPMを活用した経営管理基盤を整備し、全社レベルで各事業の収益性や資本効率を可視化・モニタリングできる環境を構築しました。
そして次のステップとして取り組んだのが本プロジェクトです。全社の経営管理方針を担う企画部門やオペレーションを担う各事業部と連携しながら予算策定や予実管理のあり方を見直し、ROIC改善に向けた具体的なアクションを継続的に実行できる経営管理の仕組みづくりに取り組んでいます。
私はEM(エンゲージメントマネジャー)としてプロジェクト全体のゴールおよび方針を定義し、課題やリスクを管理しながらプロジェクトをリードする役割を担っています。
今回のプロジェクトは、全社として目指す経営管理の考え方を明確にするところから始まりました。これまでも一定の考え方は存在するものの、明文化されておらず事業部への浸透に課題がありました。そのため、全社共通の方針を整理し、ルールやガイドラインという形に落とし込むことで、事業部に考え方を浸透させることを目指しました。
全社の考え方や事業部の運用状況についてヒアリングを進めていくなかで、特に予実管理に課題があると判明しました。予算と実績に差異が発生した際の要因分析について、事業ごとに考え方や分析粒度が異なっており、統一された手法が存在していませんでした。そのため、全社として把握したい内容が十分に報告されず、内容の確認に多くの時間を要し、改善アクションの検討まで十分に踏み込めていないことが大きな課題であることがわかりました。
本プロジェクトの目的は、全社の経営管理方針を明確化し、経営と事業部が共通の視点で対話し、一体となって経営管理を推進できる仕組みをつくることです。
海運業は市況変動に大きく左右される事業のため、業績評価をする際には「事業部自身の努力や取組みによる成果」と「外部環境による影響」を切り分けて把握することが重要です。自社でコントロール可能な要因と外部要因による予実差異を明確に区分し、改善アクションの検討につなげられる管理の仕組みを整備すること――それがクライアントの要望でした。私たちはその分析手法の設計から一緒に考え、事業部への浸透と定着に向けた運用面も含めて伴走しています。
決まった最適解がない世界です。だからこそヒアリングを重ね、全社が求める分析手法と、各事業部の特性を丁寧に把握しながら、全社方針と現場の実態の両方に即した分析手法を作っていく。重要なのは一方に合わせることではなく、関係者と密なコミュニケーションを重ねながら、お互いが納得できる形に落とし込むことです。
私は全社的な予算策定と、予実の管理・分析を担当しています。S.Hさん、S.Mさんは、それぞれ個別の事業部を担当しています。
私が担当したのは、自動車を扱う事業部です。ここでの課題は、全社共通のフォーマットに事業部ごとの個別事情をどう落とし込むかでした。全社方針としては四半期単位ではなく、“月次単位”で予実の差異を把握し報告したいという方針がありました。
ただ、自動車の運送は、航行中はもちろん、港からさらに目的地へ運ぶ工程まで含めると、細かいスケジュールを予算作成の段階で読み切ることができません。3〜4ヵ月というスパンで見れば整合性がとれるのに、月次で測ろうとすると、どうしてもズレが出てしまう。
そこで差異の原因を一つひとつ具体的に確認し、「単日でのズレが生じるのはやむを得ない」と判断したうえで、全社方針にどう対応するかを考えました。具体的には、社内やKPMGジャパンの各ファームから近い業種の事例を集め、“四半期単位で測ることの妥当性”を可視化する形をとりました。KPMGジャパンは横の連携が強固で、メールやミーティングで必要な情報や知見を、スピーディーかつ協力体制をもって得られたのは、プロジェクトを推進するうえで大きな安心感がありました。
私はドライバルクといって、鉄鉱石や石炭などを運ぶ部署を担当しました。経営KPIと事業KPIのつながりを可視化するためのKPIツリー(成果指標を要素ごとに分解した体系)の作成に取り組んだ際、特に「チャーターベース」(航海収益と航海費用の差分を航海日数で割った、1日当たりの航海収支)の扱いに苦戦しました。チャーターベースは運賃収益や燃料費、港費やその配下のさまざまな要素で構成されるため、KPIツリーのどこに位置付けるか、“答えのない問い”で、扱いが難しかったです。クライアント自身も「こうしてほしい」という明確な正解を持っているわけではないので、対話を重ねながら一緒に進めていきました。
私は今まで製造業のプロジェクトを主に担当していたのですが、今回ご支援した海運業の管理手法は大きく異なり、キャッチアップに苦労しました。長くこの業界のプロジェクトに関わっている上司や同僚にも相談し、業界知識や過去事例のインプットを得ることでクライアントへの理解を深め、仮説の精度を高めていきました。
全社として実現したい経営管理の方針・コンセプトと、事業特性やビジネスプロセスが異なる各事業部の想いの2つの視点を踏まえながら、全社として最適な経営管理のあり方を考えることが、チャレンジでした。これに対しては、まず全社方針の背景や狙いを整理し、「経営管理として何を実現したいか」を論点レベルで明確化しました。そのうえで、各事業へのヒアリングを通じてオペレーションや管理実務を丁寧に把握し、全社方針と事業オペレーションがどのようにつながるのかを具体的な運用ルール・プロセスに落とし込みました。難しいと感じる一方、利害や前提の異なる関係者の間に立ち、伴走しながらプロジェクトを前進させていくことにやりがいも強く感じました。
特に印象に残っているのは、クライアントとの合意形成に向けて、論点に対して複数の仮説を準備して議論を前に進めるアプローチです。私は「これかな」と思ったことを深掘りしてしまうタイプですが、S.Hさんがバランスよく複数の仮説を用意する姿を隣で見て、参考にさせてもらいました。また、I.Nさんから都度フィードバックを丁寧にもらい、論点に対して複数の視点を持つ思考プロセスを身をもって学ぶことができました。
私は逆にS.Mさんのリサーチ力の高さから学ぶところがありました。1つの提案内容のなかの枝葉となる仮説を突き詰めて整理し、そのメリット・デメリットの肉付けを行い、課題の対応方針についての深い考察がある。そこまで突き詰めるからこそ、クライアントも納得するクオリティの高い提案を行うことができ、賛同と理解を得られると実感しました。
AIの普及によって、クライアントとの関わり方や伴走支援のスタイルは変わりつつあると感じています。これまでは、コンサルタントが持つ知見やベストプラクティスを提供すること自体に高い価値がありました。しかし、AIを活用すれば誰もが一定の情報や知識にアクセスできる時代になり、その価値だけでは差別化が難しくなっています。
これからより重要になるのは、人の想いや組織内の思惑、プロジェクト背景といったコンテキストを深く理解したうえで、最適な方針や進め方を描くことではないかと感じています。
従来のプロジェクトでは、「週に数回ワークショップを実施する」といった点でのコミュニケーションが中心でしたが、今回は、クライアントと日々対話を重ねながら、「社内では今どのような議論が行われているのか」「関係者は何を考え、何に悩んでいるのか」といった生の声を継続的に伺い、その文脈を踏まえてプロジェクトを設計・推進してきました。このような形がこれからのコンサルティングに求められる伴走支援のスタイルだと感じており、その考え方を実行しているのが今回のプロジェクトです。
今回のプロジェクトはリモートのコミュニケーションがメインだったのですが、リモートでのやり取りは微妙なニュアンスが伝わりづらく、最初のうちはとても不安でした。そのなかで、I.Nさんを筆頭に、毎日のようにクライアントとコミュニケーションを取り、どのタイミングで何を話すかなどのミーティングスケジュールをしっかりと立て、進め方に迷いがあれば即座に追加で話し合いをする場を調整してもらうようにしていました。とにかく1日15分でもよいから会話をして、方向性がずれないように意識していました。オンラインでも常にクライアントの横に張り付いている気持ちでしたね。
プロジェクトの幅が広いので、会計に関するさまざまな領域や知識を活かせるのが魅力です。
メンバーの経歴もさまざまで、事業会社から転職したメンバーもいて、現場のオペレーションを知っているからこそ、地に足ついたコンサルティングができている。組織として培ってきたナレッジと個々の現場力が組み合わさることで、会計の専門性を結集させ、一体となって支援できていると感じます。
私は前職が経理だったのですが、決められた業務フローのなかでタスクを進めることが多く、「こう変えられるとより良いのではないか」と改善案を思いついても、積極的にそれに取り組むのは難しい環境でした。「物事をより良くしたい」という想いをもってKPMGコンサルティングへ転職し、今まさにそういったことに取り組めていると感じています。
開放的な社風で、温厚な人が多く、チャレンジしやすい環境がある、そしてフラットなコミュニケーションが取れるのが良いところだと思います。また、年齢や経歴など関係なく意見を交わすことができる環境なので、主体的にプロジェクトに関わることができ、自身の成長を実感することができます。
今はシニアコンサルタントという職位なので、マネジャー職に上がるのが目下の目標です。自らクライアントに提案できる力を鍛えて、さらに改善までもたらせるコンサルになりたいです。
作業しやすく、意見が言いやすいのは社内の上位層がそのような空気を作ってくれるからこそだと思っています。私自身も、メンバーが意見の言いやすい雰囲気づくりのできるマネジャーになりたいと思います。KPMGコンサルティングには、幅広く挑戦できる土壌が整っています。クライアントに対して自分の持てる力、考え、ソリューションを提供してみたいと思う方にとっては、選択肢の1つになるのではないかなと思います。
私自身、まだまだ視野が狭いと感じることがあります。もっといろいろな経験を積んで、クライアントや社内に大きな影響を与えられるようなコンサルタントになっていきたいです。
CFO領域(企業の経営管理や財務・会計領域)でクライアントの横について伴走できるコンサルタントとして、さらに幅広い案件に携わり、経験値を上げ続けたいと考えています。CFO領域の課題に対して、横について伴走したいと思える方にぜひご入社いただきたいです。
※記事の記載内容は2026年8月時点のものとなります。