学生時代から会社や組織の運営に興味があり、バックオフィス部門を複数経験しながら経営参謀としての人材を育成する、ユニークな採用枠でIT企業へ新卒入社しました。その後、会社の統廃合や海外拠点を含むグループ会社への出向なども経験し、経営管理の専門性を高めたいという想いから2016年にKPMGコンサルティングに転職しました。経理・財務領域でコンサルティングを行うFST(Finance Strategy & Transformation)部署に6年間所属し、とりわけエネルギー業界のプロジェクトに多く携わるうちに、エネルギー業界に特化してコンサルティングを行いたいという想いから、Energy部署へ異動しました。
新卒研修の後、経理部門でキャリアをスタートしました。10年をかけて複数部門を経験していくという育成計画だったのですが、会社の合併などもあり結果的に経理部門に腰を据える形となりました。ただ、合併対応や地方拠点への転勤、さらには海外現地法人での勤務など、むしろ貴重な経験を積むことができたと振り返っています。財務会計から管理会計まで一連の実務に携わるなかで、定常業務の改善や計数管理の高度化などプロジェクト型の取組みも経験しました。
前職でも充実した日々を過ごしていた一方で、「1社だけの経験では知見が限定されてしまうのではないか」とキャリア形成上の課題感も同時にありました。また、海外現地法人での勤務期間中には、会計・税務アドバイザリーをはじめとするプロフェッショナルファームの方々と仕事をする機会もあり、外部から企業の課題を解決するコンサルタントというキャリアに魅力を感じていたことも相まって、転職を考えるようになりました。
財務・経理に強みを持つ会計ファームに絞って転職活動をするなかで、特にKPMGコンサルティングで面接してくれた社員の誠実さが印象に残り、こういった社員のいる会社で働きたいと思い入社を決めました。
経理の実務経験をもとに、クライアントの肌感覚を持ちながらコミュニケーションが取れるという点で貢献できていたと思う反面、コンサルタントとして求められるベーススキルはまだまだ未発達な状況でした。特に、情報の構造化や言語化、相手にとってわかりやすい説明の組立てや資料作成などは苦労しました。年齢や職位の上下にかかわらずアドバイスをもらいながら日々を過ごしていたことを今でも鮮明に覚えています。
またプロジェクトテーマが多岐にわたるなか、不足しているナレッジや経験を常に補っていくということも、慣れるまでに時間がかかりました。書籍やウェブを活用しながら基礎的な情報をインプットすることは最低限で、仮説を立てたうえで上位者や社内外の有識者にも内容をぶつけながら、クライアントにとって示唆といえる水準まで高めていくのですが、どのように進めていくのがよいか右往左往していました。そんななか、少しでもプロジェクトに貢献すべく、自身の役割や期待値を常に意識したうえで、それ以外の範囲であっても積極的に仕事を取りにいく意識で向き合っていました。
FSTという経営管理を専門に取り扱うチームでは、大手電力会社における全社構造改革プロジェクトにおいて、構造改革に向けたロードマップ定義や、経営管理の仕組み構築などの取組みに携わっていました。こうした経験を通じてエネルギー業界の事業・業務の理解も進み、業界視点でプロジェクトに携わることが増えていきました。国策で進められている電力取引市場の設計・導入支援、再生可能エネルギーを活用した地域需要拡大の方向性検討、大学キャンパスのカーボンニュートラル化構想策定など、クライアントへの支援内容が変化するにつれて、業界視点での支援へと自分の興味関心も変化していきEnergyへの異動を決断しました。
エネルギー業界は電力自由化や脱炭素化など変化が激しい状況にあります。こうした外部環境変化にどう対応するべきか悩まれているクライアントも多いので、将来の変化を先読みしながらクライアントの発展に伴走していきたいです。その過程では、今まで自分自身が直接的にかかわっていない領域での知識・経験を蓄積していき、どのような内容であってもクライアントからの相談を受けられる状態でいることが大切だと感じています。ただ、自分一人でできることは限られておりチーム・組織の力が不可欠なため、日々社内でのリスペクトやコラボレーションを大切にしていきたいです。
また、エネルギーはグローバルにわたる大きなテーマであり、政治・経済など多くの事柄が繋がっていきます。こうした部分も含めて高い視座で社会に対して示唆が出せるよう成長していきたいと思います。
※記事の記載内容は2024年11月時点のものとなります。