人材育成の必要性と、その方針

Human Resource Development Policy

KPMGコンサルティング

佐渡 誠 執行役員パートナー 経営企画担当

なぜ、人材育成に力を入れているのか?

今、コンサルティング業界が大きく変わろうとしています。 環境の変化が激しく、物事が複雑化している現在、コンサルタントが価値を発揮することは非常に難しくなってきています。そのような時代において、多くのコンサルティングファームは分業化し、あるいは専業化し、またはサービスを変え、業態を変え、さらにはビッグファーム化して、生き残りをかけた競争を繰り広げています。そういったコンサルティング業界における競争の中で、私たちKPMGコンサルティングはチャレンジャーとして勝ち抜いていかなければなりません。

ある特定の分野のみに特化した専門家だけでは、複雑化する社会のニーズには対応しきれません。だからこそ、コンサルタントとしての価値を発揮するためには総合的な力を身につける必要があると、そう信じています。つまり、KPMGコンサルティングは個人の専門性を切り分けて分業化するのではなく、時代や環境が変わってもコンサルタント一人ひとりが価値を生み出せる、変化に強い総合コンサルティングファームでありたいと考えているのです。

The Clear Choice ー これはKPMGグループの基本思想です。クライアントに常に選ばれる存在でありたい。言わば、KPMGのコンサルタント一人ひとりに受け継がれているDNAです。
クライアントに常に選ばれ続けるためには、時代や環境が変わろうとも価値を提供し続けられるコンサルタントでなければならない。KPMGコンサルティングでは、そういった価値のあるコンサルタントを育成しマーケットに提供することを目指し、人材育成プログラムを開発しています。

人材育成を、経営の最重要課題の一つとしてとらえる

KPMGコンサルティングの人材育成に関する思想は、組織体制にも現れています。
多くの企業では、人材育成は人事部門が担っています。しかしKPMGコンサルティングでは、経営企画部門が人材育成のプログラム開発を担当しています。これは、人材育成を特定の部門におけるミッションの一つとしてではなく、経営戦略の最重要課題の一つとして捉えているからです。こういったケースは、他のコンサルティングファームはもちろん、他の業界を見渡しても珍しいケースかもしれません。

こういった組織体制を敷くことで、人材育成プログラムの開発を単独の部門のみに任せるのではなく、全社的な課題として取り組むことができます。そして何よりも、経営方針にあわせて柔軟かつ迅速に人材育成プログラムを変えていける、という大きなメリットも生まれます。つまりKPMGコンサルティングでは、組織体制の面でも工夫をすることで、人材育成の成果の最大化を図っているのです。

KPMGコンサルティング

コンサルタントとしてあるべき姿:タレントモデルの定義

「クライアントから常に選ばれるためには、どのようなコンサルタントであるべきか」「KPMGコンサルティングのコンサルタントとして備えるべき能力は何か」という点が明確でなければ、つまり人材育成プログラムによってどのようなコンサルタントを育てるべきかというゴール設定が明確でなければ、どんな人材育成プログラムも的外れなものになってしまいかねません。

そこで私たちは「KPMGコンサルティングのコンサルタントとして求められる能力」、言い換えれば「時代や環境が変わろうとも、常にクライアントのビジネストランスフォーメーションを実現できる能力」ー とはどういったものかを検証し、それをKPMGコンサルティングの「タレントモデル」として定義づけ、その定義に沿った人材を育てるための人材育成プログラムを開発しています。

研修プログラムの概要

タレントモデルの定義にあった人材を育成するために、大きく分けて次のような枠組みを設けています。

新卒入社 および業界未経験の(若手)中途入社の場合

入社後5週間程度の期間、①コンサルティングファウンデーションを中心とした集中講義を実施します。これは人材育成プログラムの導入部分として、またコンサルタントとしての最低限のスキルを身につけマーケットに出て行くための準備期間として、位置づけられています。
その後、各プロジェクトにアサインされOJTを通じて学んでいくわけですが、OJTの合間にも半年ごとに1週間程度のトレーニングが行われます。「実際のコンサルタント業務を通じて学ぶ → 振り返り → 研修プログラムで学ぶ → 再びジョブにアサイン」、というサイクルをおよそ1年半から2年間をかけて繰り返します。この間に、コンサルタントとしての基礎的かつ最低限のスキル・能力を身につけてもらいたい、という考えです。

中途入社の場合
 

中途入社の場合は、既に②ソリューション&インダストリー を身につけていらっしゃる方が多いでしょう。そのため状況に応じて、①〜④の様々なトレーニングプログラムの中から個別に受講していただくことになります。
①〜④に関する個々のトレーニングプログラムは、年間を通じて提供されています。そのため、ご自身のスキルやアサインされたプロジェクトなどの状況に応じて、必要なトレーニングを好きなタイミングで自由に受けることができる仕組みを設けています。

全社員向け
 

新卒入社・中途入社を問わず、全員の受講が求められるトレーニングもあります。特に③デジタル&エマージングテクノロジー に関するトレーニングです。ITに関する技術革新のスピードは速く、数年前の知識は過去のものとなってしまうため、常に最新の技術・トレンドにキャッチアップしていかなくてはなりません。
そこで、KPMGグローバルで開発した最新・最先端のプログラムが用意されています。2週間にわたり、グローバル基準で最先端のデジタルトレーニングを受けられるのは、世界最先端のデジタル技術にも明るいKPMGグループならではのメリットです。

今後の方針

現時点でKPMGコンサルティングが提供している人材育成プログラムが、完璧なものだとは決して思ってはいません。社会の変化が激しいからこそ、それに応じて人材育成プログラムも進化していくべきものです。
今後さらに効率的で充実した人材育成プログラムにしていくための方針は、以下の通りです。

  • 1.プログラムのブラッシュアップ

    変わらない部分:
    例えば①コンサルティングファウンデーション などは、コンサルタントとして普遍的に求められる力、すなわち時代や環境に左右されない能力です。この部分はさらに効率的なトレーニングコンテンツとすべく工夫をしていきます。
    変わっていく部分:
    ②ソリューション&インダストリー や③デジタル&エマージングテクノロジー は、社会情勢の変化・技術の革新に応じて常に変わっていくべきものです。KPMGコンサルティング独自の、あるいはKPMGグローバルと連携して、時代や環境の変化にあわせて常に最新のトレーニングコンテンツを提供するようにしていきます。
  • 2.個々の能力や個性に合わせたプログラム提供

    KPMGジャパンで取り組むインクルージョン&ダイバーシティにもあるとおり、KPMGコンサルティングでも個々人の力や個性を最大限に活かしていきたいと考えています。そういった流れの中では、画一的なトレーニングを全員に提供することは適切ではないでしょう。
    そのため、トレーニングプログラムをより多様化・細分化し、個々人のスキルや経験、アサインされたプロジェクト、さらには個人的に学びたい分野など、プログラムをいつでも自由に組み合わせてトレーニングに臨めるようにしていきます。