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LEAP担当者メッセージ

プロジェクトLEAP推進者対談:~LEAP(飛躍)に向けた挑戦と思い~

宮原 正弘

宮原 正弘

代表取締役社長兼CEO/プロジェクトLEAPオーナー

アーサーアンダーセンのビジネスコンサルティング部門、米国・ロサンゼルス事務所、KPMGニューヨーク事務所を経て、あずさ監査法人 アカウンティング・アドバイザリー・サービス(AAS)事業部長、KPMGアジア太平洋地域(ASPAC)アカウンティング・アドバイザリー・サービス代表、アジア上場アドバイザリーグループ責任者を歴任後、KPMGジャパン アドバイザリー本部長に就任。2017年7月よりKPMGコンサルティングにて代表取締役社長を務める。

山下 雅和

山下 雅和

Financial Services Solution Unit 執行役員/プロジェクトLEAPリーダー

大手金融機関の情報システム部門においてITシステムの企画、開発、プロジェクトマネジャーとしての経験を経て、KPMGコンサルティングの金融機関向けのIT/デジタル活用、プロセス改善、リスクマネジメント等のコンサルティングソリューションを提供する組織をリード。合わせてコーポレート部門の担当パートナーを担っていた経緯から、プロジェクトLEAPをリーダーとして率いている。

A. K 明子(聞き手・文)

A. K(聞き手・文)

法務室 マネジャー/プロジェクトLEAP推進事務局

大手コンサルティングファームにて経営コンサルタントとして従事後、大手外資系企業の人事戦略・企画部門にてチェンジマネジメント・制度設計や就業規則改訂、トレーニングまで幅広い分野のリーディングを経験。KPMGコンサルティングに入社後、2019年4月よりLEAP事務局として、プロジェクトの立上げからコンセプト作り、全社へのメッセージング等の啓蒙活動および施策の企画検討・導入まで主導している。

時代に合ったProfessional Wayとは

A. K お二方は、過去のキャリアライフをどのように過ごされてきましたか?

山下 私は新卒で証券会社に入社し、IT部門で一貫してキャリアを積んできました。特にバブル崩壊後は金融業界全体にIT化の波が急速に押し寄せてきた時期でもあり、毎日忙しく過ごしておりました。まさに昭和のモーレツ社員を絵に書いたような働き方をしていましたね(笑)。深夜まで仕事をし、それから焼き肉屋で飲んでから帰路に就くという日々もありました。今となっては、懐かしいです。

宮原 私は現在のあずさ監査法人の母体となる監査法人に新卒で入社し、数々の合併等の組織再編を経験しつつ、監査業務・ビジネスコンサルティング業務の中で、様々なプロジェクトを経験してきました。
特にコンサルティング業務でプロジェクトワークをしていた時には、クライアントの要求を充たす品質を追求するために、毎日とにかく必死で働きました。やはり私も毎晩深夜まで働き、タクシーで仮眠をとる・・なんて生活が続いたこともありました。

A. K 私も過去に他社コンサルティングファームに勤めていた時代には、やはりそのような働き方でした。深夜のラーメン、タクシー帰りともに思い出します。しかし時代は大きく変わり、プロフェッショナルの働き方も多様化してきました。このあたりの変化につきまして、所感はいかがですか?

山下 労働時間の長さという点でいえば、長く働いたから偉いという考え方は、確かに今はふさわしくないと思います。逆に、残業をしないことが正であるという考え方も、特に我々のようなコンサルティングファームの働き方改革として、妥当ではないと思います。プロとして、クライアントに価値を提供することで成り立つビジネスです。働く時間の長短のみで成果を測る、というものではないですよね。

宮原 そうした観点で、KPMGコンサルティング(KC)では旧来の硬直的な働き方や価値観を見直すだけではなく、KPMGコンサルティングの全てのプロフェッショナルが生き生きと、そして、効率的に働き続けることができる環境を作るという決意をこめて、“働き方改革プロジェクト”ではなく、“LEAP(飛躍)”という名をつけました。

A. K しかも、”LEAP”には”Lead Evolution Accelerate Productivity(変革を導き、生産性を向上させる)“という意味の英文の頭文字をとって、二重の意味をもたせました。

宮原 そうです。私がLEAPを推進するうえで特に重要視しているのは、プロとしてのオーナーシップの大切さをどう浸透させていくかという点です。そして、オーナーシップとともに重要なものはリスペクトとコラボレーションです。LEAPでは制度導入も積極的に行っていますが、同時にこうしたマインドセットをより深く根付かせることで、時代に合ったプロのための職場環境を創り上げることがミッションであると考えています。

山下 生産性をいかに向上するかも施策として重要です。

宮原 「KPMGコンサルティングでなら、ワークもライフも両方楽しめる!」と思ってくれる社員を一人でも多く増やしていきたいです。生産性を向上させることができるからこそ、労働時間の短縮も達成できるのであり、オーナーシップとリスペクトをもって働ける環境があってこそ、そこからイノベーションやエネルギー、チームワーク、コラボレーションが生まれ、さらに仕事を楽しめるようにもなるのだと思います。
私も若い頃は、山下さんに負けず劣らずのモーレツ社員ぶりを発揮していたわけですが、実は“辛い”と思ったことはそれほど多くありません。それは、能動的に、前向きに仕事に取り組めていたからでしょう。つまり、オーナーシップをもって仕事に取り組んでいたからです。
生産的に、かつ効率的に働くことはこれから特に求められていく観点だと思いますが、やはり本質は、常にオーナーシップをもって価値を生み出すプロフェッショナルになるためのあり方であり、これがLEAPの目指す“時代に合ったProfessional Way”だと考えます。

LEAPの反響とチャレンジ

A. K LEAPが発足して1年が経ちますが、どのような反響が聞こえていますか?

山下 私のところには、パートナーなど、シニアメンバーから激励の声を頂くこともありますが、特に若手社員を中心に「さらなる変革を期待しています!」という声が聞こえてきます。受け止め方は非常にポジティブなのではないでしょうか。

宮原 私のもとにも前向きなメッセージがたくさん届いていますよ。

山下 特に2019年11月から導入した服装選択の自由化により、オフィス内の雰囲気は大きく変わりました。この施策は、単に「カジュアルウェアを容認した」ことにとどまらず、「プロならばプロにふさわしい服装を自身で選択するべきだし、できるはず」というメッセージを伝え、Professional Wayの見える化を図ることが狙いの1つでした。もちろん、外観上の分かりやすい変化という利点もあり、LEAPによりこれからどんどん改革が進んでいく、という期待感も高まりました。

宮原 私が特にうれしく感じたのは、こうした目に見える形の施策に対して、良い・悪いの意見が挙がるだけではなく、社員自身が“KPMGコンサルティングの素晴らしいところ”として、「KPMGコンサルティングにはLEAPという取組みがあり、これからどんどん魅力的な会社になっていくと思います」と社外に伝えてくれる方も多いことです。たまたまその現場を垣間見たときは、本当にうれしかった。

A. K LEAPという取組みを中心に、少しずつKPMGコンサルティングのファンが社内にも、そして社外にも増えていく・・という実感が得られるエピソードですね。一方で、まだ道半ばのLEAPには、チャレンジもあります。

山下 その通りです。KPMGコンサルティングだけでなく一般的にも、「働き方改革により自由度を高めるのはよいことだが、会社としての規律も必要ではないか」という論点です。このバランスをとることはチャレンジの1つだと思います。

宮原 私もその通りだと思います。LEAPは社員を甘やかすための取組みではなく、プロフェッショナルが最大の価値を発揮できるようなサポートをするための仕組み作りだというメッセージは私も常々発していますが、継続したメッセージングはやはり重要です。自由度・柔軟性と、オーナーシップ・責任は表裏一体のものであり、これを理解・実践できるのが真のプロフェッショナルです。権利は主張するが義務は果たさないというフリーライダーは、KPMGコンサルティングでは許されません。

山下 新型コロナウイルスの影響で、このプロフェッショナルたる姿勢が試される機会もありました。

宮原 そうです。そして、私はここにも希望を見出しています。これによりKPMGコンサルティングでも一定期間原則在宅勤務としましたが、その時にやはり懸念されたことは、「家にいて仕事なんてできないのではないか?」ということでした。しかし、実際に在宅勤務となったことで、オフィスで勤務している時以上のパフォーマンスをあげてくれる社員たちが逆に目立ってきて、その方々がポジティブな影響を与えてくれているということです。

A. K それは素晴らしいことですね。具体的なエピソードを教えてください。

宮原 例えば、「これを機会に、よりよい在宅勤務のあり方やコツを取りまとめて、皆に共有しよう」と手を挙げてネットワークづくりを始めた人がいました。チャレンジングな状況の中での入社式や新人研修、懇親会等をオンラインツールをうまく活用して進めてくれたチームもありました。新型コロナ収束後に向けた新たなサービスを検討するワーキングチームもできました。こうした方々が社内のあちこちで現れたことは、私にとってはLEAPをさらに推進していくうえでの希望です。

山下 私も同じように感じています。今振り返ってみると、LEAPの施策の1つとして、2019年に在宅勤務制度を導入しましたが、これによりコロナショックの際にも会社としてもスムーズな対応ができ、社員にとっても受け入れやすかったのだと思います。

A. K 制度の趣旨をしっかりと理解し、自律的に付加価値を高める行動をとる社員が顕在化したことで、社員自身がLEAPの理念をメッセージングしてくれた、ということですね。LEAPが全社プロジェクトであるということが体現された1つの事例だと思います。

“人を大切にする”とはリスペクト

A. K 在宅勤務では、お互い顔を合わせる機会が減るので、コミュニケーションが希薄になるという懸念もありましたね。

宮原 メールでのコミュニケーションが日常となっている現代においてはよく言われることですし、在宅勤務が増えるとますますそう感じる人もいるかもしれません。どうしてもテキストベースのメッセージは冷たく、機械的に見えてしまいますから。

山下 ツールではなくリスペクトの問題ですよね。私個人としては例えば、成果物のレビューをする時に、メールで一方的に「ここがおかしい」とか「ここを修正して」といった指示を送って終わりにする、ということがないように気を付けています。成果物は私のようにレビューを担当する者も含め、チーム皆で作り上げるものです。成果物の趣旨は何か、メッセージ・表現は適切か・・。必要に応じて電話でフォローをしながら、ともに議論する。これは私なりのリスペクトのやり方です。

宮原 私の場合は、山下さんの言う通りリスペクトを大切にしながら、“親近感の醸成”を心がけています。そのために、なるべく1人ひとりの社員に関心を持ち、それぞれの顔と名前を覚えるように努めています。KPMGコンサルティングは1000名を超える組織ですので、さすがに全員の顔と名前を記憶するのは難しいですが、少なくとも話をした社員については、必ず名前を聞いて顔を覚えるようにして、次に会った時には「△△の時にお話した〇〇さんですね」と声がけをできるように意識しています。

こうすることで、社員の方々と気持ちのうえでつながりをもち、フラットな雰囲気作りができるのではないかと考えています。小さなことのようですが、このようなところからリスペクトや親近感が生まれることもあると思っています。

山下 「人を大切にする」というのは、こういうところかもしれませんね。リスペクトを、それもプロとしてのリスペクトをお互いに表明し合うこと。それは、会社の仲間の名前を覚えてその人への興味・関心を示すことであったり、何かしてもらった時に「ありがとう」の一言を添えることであったり、一緒に1つの成果物を作り上げることであったり。やり方は様々でしょうが、リスペクトが至るところにあふれている。そういう雰囲気と環境をLEAPの取組みを通じて盛り上げていきたいです。

宮原 この点については、今後導入予定の施策が大きく寄与するのではないでしょうか。

山下 そうですね。現在企画中の施策のひとつで、互いに「ありがとう」の気持ちを伝え合い、さらに組織風土を盛り上げていくためのアワードプログラムの導入を考えています。ブロックチェーンのアプリケーションを使って、ちょっとした時に助けてくれた、何かをしてもらった仲間に対して“Thanks point”を送りあえるようにして、そのポイントをたくさん獲得した方を表彰し、プロフェッショナルマインドのあり方や工夫を全社に向けて共有するという取組みです。人を大切にするKPMGコンサルティングならでは取組みだと思います。

KPMGコンサルティングにご興味をもって頂いた皆様へ

A. K 最後に、当ホームページをご覧いただいている皆様へのメッセージをお願いします。

山下  KC版働き方改革・プロジェクトLEAPは、このように代表の宮原さん自身が責任をもって、全社をリードする形で進めています。この取組みを通じて、プロフェッショナルが“働きやすい”と感じられ、次々とポジティブなアイディアが生まれ、それを提案することに何ら障壁のない環境を構築していきます。特にアフターコロナにおいては、我々コンサルタントの提供価値はクライアントにとって、そして社会にとってもさらに重要なものとなっていくことでしょう。ぜひこうした環境でプロフェッショナルの一員として活躍してみたいという方の参画をお待ちしています。
当サイトでもLEAPの導入施策は随時ご紹介していきますので、ぜひそちらも楽しみにご覧頂ければと思います。

宮原 プロジェクトLEAPは、KPMGコンサルティング設立5年目を節目に始めた活動です。KPMGコンサルティングはまだまだ若いファームであり、成熟していない部分もたくさんあります。しかし、だからこそ柔軟に変えていこう、多様な価値観を取り入れていこうという土壌のあるファームでもあります。制度というアウトプットだけでは測れないLEAPの意義は、こうした変革意識を盛り上げる点にもあると思います。一般的な“働き方改革”は、 “トップダウン”の取組みが多いのですが、LEAPは“トップダウン”ではなく“マネジメントがオーナーシップをもつ”という点に特徴があり、オープンに社員の意見を募り、それを私自身も確認して積極的に取り入れることで進められている活動です。ここまで社員の意見を反映している働き方改革は、なかなかないんじゃないかな(笑)。ぜひ、KPMGコンサルティングにいらして頂き、あなたの意見も聞かせてください。一緒によりよいファームを作っていきましょう。