Business Innovation  スポーツビジネスチーム

パートナー 佐渡 誠

旧態依然としたスポーツ産 業をどうつくり変えていくか

スポーツビジネスは、これからの日本の発展を担う成長戦略に掲げられています。しかし、日本のスポーツ産業はスポンサーである企業に依存し、旧態依然の構造のまま。多くのスポーツチームの収益の柱は広告価値に立脚した協賛費とチケット収益で、これでは限られた企業とファンのお金しか流入してきません。この現在のスポーツ産業をどうやってつくり変えていくかが、私たちのチームの最大のテーマです。

よく、スポーツにはチカラがあると言いますが、それは何なのか?社会的な価値がマネタイズにつながるからこそ、その価値を再定義する必要があると考えています。Jリーグの湘南ベルマーレとともに構築した「地域共創型デジタルプラットフォーム 」はその好例といえるでしょう。地域創生の時代に、約6 50社の地元スポンサー企業とともにSDGs の共創の場をデジタル上につくり、サステナビリティ経営にひもづく企業の予算をチームに流入させる仕組みも生み出しました。根本の部分にメスを入れてスポーツ産業をつくり変えた、 KPMGコンサルティングらしさが生きたケースだと思います。このように、スポーツの価値を再定義し、人もお金も集めることができるハブにできれば、スポーツのチカラで日本社会はもっと元気に発展できるはずです。

 

収益はなくても、「どこかおかしい」に黙っていられない

設立から10 年を経て、KPMGコンサルティングは、人間で言えば小学校5  年生。人の成長と同様に、私たちにおいても考えや価値観の土台が築かれた時間であったと思います。ビジネスイノベーション( BI )ユニットを立ち上げ、私たちのチームではe スポーツ事業にも先駆的に取り組んできました。新しいビジネスや価値創造に挑戦し、社会起業家としてのDNA も芽生えた10 年だったといえます。創立時から培ってきたこれらの遺伝子をすべての社員が共有し、次の世代へ継承していってほしいというのが私の想いです。

「どこかおかしい」と感じる社会の歪みや問題に対して黙っていられないのが KPMG コンサルティングなのです。たとえすぐに収益は見込めなくても、あるいは普通のコンサルティングならば二の足を踏む案件も、社会や時代の潮目を捉え、取り組まなくてはいけない社会課題があれば立ち向かっていく。KPMGコンサルティングの社員はそんな高い視座と矜持を持ち、クライアントに真摯に向き合うことはもちろん、あるべき社 会を創造できる存在であってほしいと思います。

 


 

シニアマネジャー 岩田 理史

先駆的存在として、eスポーツ分野を立ち上げる

KPMG コンサルティングには、世の中に先駆けて新しいことに挑戦する企業文化があります。私が担当しているeスポーツは、その典型的な例だと思います。まだe スポーツが盛り上がる以前、世の中にはゲームに対する偏見もあった時代に、そのビジネスの可能性に着目し、日本におけるe スポーツの普及および市場確立を目指してチームを立ち上げました。普通のコンサルティング業界ではあり得ないことですが、たとえ収益化の目処が立たなくても、社会的意義があることならば、未知の領域にも突き進んでいけるのが私たちKPMGコンサルティングらしさだと感じています。私は立ち上げ時からのメンバーとして、eスポーツの産業化を目指し、経済産業省や日本eスポーツ連合とともにe スポーツの普及を推進し、企業の事業の立ち上げなどの支援も行ってきました。まだまだ道半ばであるeスポーツを産 業として確立できるよう、今 後も粘り強く取り組んでいきたいと思っています。一方で、 eスポーツは国や地域、言 語、世代やハンディキャップを超えるコミュニケーションツールとして、社会で活用の幅が大きく広がっています。日本国内ではe スポーツを地域創生につなげる自治体があるほか、教育現場への導入、高齢者の認知症予防といった健康支援への活用など、競 技シーンとは別に社会課題の解決に活用するケースも増えています。 e スポーツを社会に普及・浸透できた点において、これまでのチームで取り組んできたことが大きな功績は残せたのではないかと思っています。

 

クライアントの課題解決の先へ、さらに高い視座を持つ

そもそも私たちのチームは、従来のスポーツ産業をどうつくり変えていくかが重要なテーマです。目の前にいるクライアントの課題を解決するというのが従来のコンサルティングだと思いますが、それよりもっと視座を上げ、業界、さらには社会の課題といった根本の部分に切り込んでいくことが私たちのチームカルチャーです。プロジェクトを組成するときは、いかに新しい価値を生み出せるかという視点を大切にしています。KPMGコンサルティングらしい、今までにない価値を創り出せるのは、短期的な収益にのみ縛られることなく、自主性や自由が重んじられている、そんな私たちの企業風土も大きく影響しているように感じます。

 


 

シニアコンサルタント 小山 翼

 

大切なのは、スポーツを通じてどんな世界をつくりたいか

J リーグの湘南ベルマーレとのプロジェクト「地域共創型デジタルプラットフォーム」の最前線で実務を担当しています。この取組みは、クラブの課題解決だけにとどまらず、最終的にはスポンサー企業などと力を合わせてホームタウンがある湘南エリアの地域社会・地域経済の活性化をめざすもの。スポーツクラブが課題解決カンパニーとして、地域社会を輝かせるプラットフォームになることです。その時、スポンサー企業、自治体やファンなど多くの人々を巻き込んでいくことが重要になります。ステークホルダーを結びつける役割として、コラボレーションに強い K P MGコンサルティングがかかわる価値は大きいと思っています。チームやステークホルダーとコミュニケーションする際にいつも大切にしているのは、創造したい世界観を言語化・可視化すること。めざしている世界観に共感していただけるかどうかが、プロジェクトの成功のカギを握るといっても良いほどです。そもそも、どんな未来を描きたいかを共有できなければ、コラボレーションに参画したいと思う人々も集まってきませんから、ビジネスにおけるビオトープをつくるという私たちの発想も実現できないのです。どれだけ強い想いと世界観を描けるかは、どのプロジェクトにおいてもチームメンバーがこだわっている点といえます。

バックグラウンド・年次を問わず、アイデアや発想が求められるチャレンジングな環境

このチームは、とにかく全員が高い熱量でプロジェクトやクライアントと向き合っています。若手ではありますが、自分から考えて発信•行動していく主体性も不可欠です。また、国•地域や世代を超えて愛されるスポーツという分野だからこそ、上下は関係なく、一人ひとりの意見を尊重してもらえる風通しの良い環境があるように思います。何より、興味あるスポーツを仕事にできるのはとても嬉しいことです。一個人としては、産業を拡大させたその先に、日本スポーツ界の競技レベルも上がり、世界で戦う日本人が増えることを望んでいます。国際的な試合などで日本が勝利した時は、 1 人のスポーツファンとして純粋に嬉しいものです。産業活性化を通じて、競 技レベルにおいても日本のスポーツが強くなっていくことに役立ちたいという気持ちがあります。