<インタビューイー>
金融セクター統轄パートナー
山下 雅和
金融セクターパートナー
角坂 晃啓
金融ビジネスの発展はテクノロジーとともに
金融ビジネスは、テクノロジーの発展とともにその道を歩んできました。代表的なものが、1960年代に登場したインターネットでしょう。当初はメールやワールドワイドウェブで固定的な情報を発信するだけでしたが、個人が動画を世界中に共有したり、オンデマンドで即時に映画を見たりできるようになりました。金融の世界においても、インターネットだけでビジネスを展開する銀行、証券、保険会社が数多くみられる時代です。また、ICT 技術の進化により、株式はミリ秒以下の世界で取引が成立し、SNS の普及によって少額の送金が手軽に行えるようになりました。さらに、ブロックチェーン技術による暗号通貨等の新しい金融商品やサービスの誕生も、テクノロジーの発展なくしては実現し得なかったことでしょう。
テクノロジーを活用し、これからも進化は続いていく
今後の金融ビジネスは、従来の安全性や信頼性に加え、顧客一人ひとりへの個別化戦略が重要テーマになると思われます。ウェアラブルデバイスやIoT 対応製品がより身近に普及し、個人の状態をリアルアイムにモニタリングすることで、その人の趣向や特性を踏まえた保険商品等のデザインが可能になります。金融機関と顧客とのチャネルが多様化するなかで、日常生活に寄り添いながら、いかに高度な顧客体験を提供できるか。蓄積される大量のデータとテクノロジー活用によるその巧拙が、金融機関の競争力を左右するでしょう。また、高 額な不動産等の商品も、STO( Security Token Offering)等のテクノロジー活用により小口化・デジタル証券化され、多くの人々の手が届くようになり、貯蓄から投資への流れが着実に加速するでしょう。もうひとつ注目したいのが仮想空間、メタバースの活用です。生成 AI と組み合わせることで、金融機関の営業担当を模したアバターが高度な会話を駆使し、顧客に最適な投資・保険商品をアドバイスできるようになるでしょう。適切なアルゴリズムのもと、リスク選好を超えた商品の勧誘や将来の利益を確約するような不適切な行為を排除し、人が相対するよりも安全・安心に取引できる世界が期待できます。金融サービスが生活者に身近なものとなった現在 、テクノロジーの進化に合わせ利便性に優れた多種多様なサービスが付加価値として求められるでしょう。 KPMG コンサルティングはこうした時代の変化を見据え、戦略立案•導入などのサポートを通じて、日本の産業や地域生活の基盤としての金融機関の成長を支え、未来の社会に必要な金融サービスの実現に向けた共創パートナーとして貢献していきます。