KPMGコンサルティング(以下、KC)では、キャリア採用向けに定期的にオンラインセミナーを行っています。その中から、『現場コンサルタントによるトークセッション ~コンサルタント未経験からの転職、転職で得られた成長とやりがい~』と題して行ったセミナーについて、イベントレポートという形でお届けします。
前編は入社理由から現在の業務、コンサルタントとしてパフォーマンスを発揮するまでの立ち上がりを中心に、後編はKCのカルチャーや働き方を中心に、具体的なエピソードを交えて現場コンサルタントが語っており、入社後のご自身をイメージいただきやすい内容となっております。
■登壇者
■なぜ未経験からコンサルティング業界に転職しましたか?その中でも、なぜKCに入社しましたか?
M. U:正直、初めからコンサルティング業界を考えていたわけではなくて・・・。転職エージェントからコンサルティングファームを提案されたことがきっかけでした。まったく想定していなかったので、そんなキャリアもあるのかと最初は驚きましたが、改めて考えてみると、新しいことに色々チャレンジしたいという自身の性格にもマッチしていると真剣に考え始めました。
他のコンサルティングファームからも内定をいただいたのですが、Financeを軸にキャリアを歩んでいきたいと考える中、Financeに強みがあると感じたKCに入社を決めました。
A. Y :私もまったく同じで、転職エージェントからコンサルタントという選択肢を提案されたことがきっかけでした。事業会社で経営・事業企画などを担当していると、その延長線上で考えやすいキャリアかもしれないですね。
T. K:私は第二新卒として社会人2年目の時にKCに転職したのですが、就活時からコンサルティング業界を視野に入れていました。というのも、世の中の課題解決をしたいという、漠然とした想いがある中、解決策としてのテクノロジースキルを有するエンジニア職か、課題解決力に特化したコンサルタント職か、2択で悩んでいました。まずは技術を知ることから始めようと、SIerに新卒で入社することにしました。2年間でITスキルは一定身に付いたと感じたものの、自身の業務が世の中の課題をテクノロジーを使って解決するというよりは、目の前のシステム自体の課題やトラブルの解決に終始していると感じたため、外部の環境に飛び込んだ方が目標への近道だと感じ、転職活動を始めました。
KCを選んだ理由は、KCが「先端テクノロジーを活用して、より良い世界を構想する」と言っており、その世界観に惹かれたからです。
■コンサルタント未経験からの入社であれば、立ち上がりが肝になると思います。入社直後のプロジェクトや役割について教えてください。
M. U:初プロジェクトは、グローバル案件でした。米国に本社があるクライアントで、業務をグローバル規模で標準化しようとする取組みにおいて、私たちは日本子会社の展開をサポートしました。その中で、定型化された経理業務のローカライズからそのギャップ分析までを担当しました。プロジェクトメンバーは、日本も含めすべて外国籍の方たちで、レポートラインも米国でした。前職で海外に駐在していたこともあり、グローバル案件に携わりたいという希望を出していました。
英語を使った業務自体には不安はなかったのですが、プロジェクトで何をすべきか、クライアントの求める期待値などについては、少し不安がありました。現在は研修プログラムも更新されていますが、私の入社した当時は2週間ほど基礎スキルについて研修を受講したこと、また実務を通してしかスキルは身に付いていかないだろうと考えていたので、分からないところはどんどん先輩に聞きながら“習うより慣れろ”という意識で乗り切ることができました。
A. Y:中途採用で入社した方に向けては、受講必須の研修が体系立てて定義されています。コンサルティング基礎力では、マインドセットといったプロフェッショナリズム、問題解決アプローチ、リサーチ・分析、資料作成・ライティング、ファシリテーション、といった、あらゆるプロジェクトで汎用的に求められるスキルについて、プロジェクトと並行して3ヶ月間の研修を受講いただきます。これらは、コンサルタント以外の職種であっても通用する、ビジネスパーソンにおけるポータブルスキルなので、当研修は非常に有益な研修だと思います。また、研修内ではスキルチェックテストを受験頂き、自身の能力を客観的に把握するとともに、上長と面談を通して注力する学習内容を決めて頂きます。共通認識をもって研修に取り組んで頂くことで、コンサルタント経験の有無に関わらず、周囲のサポートを得られる環境を提供しています。
その他、KCでは、ソリューション&インダストリーやデジタル・テクノロジー、ピープル&リーダーシップという構成で、グローバル含め常に研修がアップデートされており、自身の興味領域に応じた研修を受講することができます。毎回、アサイン(メンバーとしてプロジェクトに参加すること)されるプロジェクトごとに、求められるナレッジ・スキルに変化があるので、社内外の多種多様なコンテンツから自身のニーズに合わせてキャッチアップすることが可能です。
■第二新卒の入社後研修はどのようなものでしょうか?
T. K:入社直後に受講した、問題解決アプローチや論点・仮説思考、ストラクチャードコミュニケーションなどの研修は、コンサルタント初心者であった当時、本当にためになりました。もちろん研修を受けたからといって一朝一夕で身に付くわけではないのですが、プロジェクトのデリバリー(プロジェクトを推進すること)にあたって、どのような考え方や取り組み方をしたらよいか、また上司からの作業指示やフィードバックいただく内容を理解して業務を進めるのにも役立ちました。
A. Y:新卒・第二新卒においては、コンサルタントの足腰となる基礎力をしっかり身に付け、ファーストアサインで活躍できるレベルまで短期間で鍛錬する必要があります。4月/10月*の入社時期には、同期と一緒に集中的にトレーニングする約2ヶ月の研修プログラムが用意されています。講義に加え、演習やケーススタディを通じて実践的な力が備わるよう、オンライン/対面を織り込んだプログラムとなっており、同期と切磋琢磨しながら取り組んでいただきます。研修の終盤には、集大成として、実プロジェクトさながらにチームで行うケーススタディと、研修の振り返りとどのようなコンサルタントになりたいか一人ずつ語る目標設定があります。いずれも全社に向けてプレゼンが実施され、現場目線での鋭いフィードバックや質問、将来に向けた温かいコメントが飛び交う場となっています。
*年次によって採用状況が変わることもあります
T. K:私のファーストアサインは、人材配置にAIを活用してマッチング業務の効率化・最適化を目指すプロジェクトでした。コンサルティング基礎力とAIに関する技術力が必要とされていました。前職では、ITインフラ周りの業務を担当していたため、AIとは少し毛色が違うものでしたが、ITのバックグラウンドがあったので、AIに置き換えてシステムアーキテクチャなどを理解することに努めました。ただ、やはりキャッチアップは大変だったなと記憶しています。
コンサルティング基礎力は研修に加え、都度プロジェクトが終わるたびに各スキルについて振り返りをしました。AIなどについては、とにかく実務を通じて学び続けた結果、専門性とスキルが付いてきたように感じます。
A. Y:プロジェクトによって期間はそれぞれで、短いものだと1ヶ月、大体は3ヶ月、6ヶ月などのプロジェクトにアサインされることが多いように思いますが、KCではプロジェクト終了時に、プロジェクトマネジャーと一緒に評価を行う仕組みがあります。各職位ごとに求められるコアコンピテンシーに対し、プロジェクトでのパフォーマンスがどうだったか、定期的に振り返る機会を繰り返して、短期サイクルでの個人の成長をサポートしています。さらに、部署のマネジャーがパフォーマンスマネジャーとしてメンター役となり、1年を通じて個人のキャリアや仕事全般についてざっくばらんに相談に乗ってくれる環境もあります。
加えて、新卒・第二新卒の場合は、プロジェクトアサインの合間にフォローアップトレーニングもあり、プロジェクトの実務と体系立てられた研修との反復を通じて、1年後のコンサルタント昇格を目指して駆け抜けることができる仕組みになっています。
■前職の事業会社での経験・スキルは活かせましたか?
M. U:前職で経理業務を一通り実務として経験してきたので、経理業務の流れやどういうところに課題感があるのか、といった勘所を仮説立てするのに活かせたと感じた部分はあります。クライアントとして向かい合うカウンターパートナーが、まさに私自身の過去の役割と近いと感じます。私が担当した、次期会計システムの導入プロジェクトなどでは、自身の経験を交えながらクライアントにヒアリングすることができたと思います。
A. Y:これまで培ってきた経験も活かせるというお話は、コンサルタント未経験の方にとっても安心できる話かと思います。ただ、逆のことを言ってしまうようですが、私自身の経験からお話すると、未経験で入社されるのであれば、前職での思考法や仕事の進め方などにこだわり過ぎることなく、何ならまっさらにして、KCの研修や実際のプロジェクトを通じて学んだことをゼロから吸収して積み上げていくというマインドで取り組んでいただくほうが、コンサルタントとして一人前になるためには近道かと思います。
■入社してみて、事業会社とコンサルティングファームの違いはありましたか?
M. U:KCは、働き方がすごく自由だと思います。経理部はルーティン業務が多いので、比較的始業・終業時間が決まっていたのですが、コンサルタントはコアタイムはあるものの、朝8時から働くメンバーもいれば、お子さんを幼稚園に送ってから10時から働くメンバーもいたり人それぞれで、裁量が個人にあると感じました。
A. Y:フレックスタイム制度や中抜け制度など、当然業務に支障のない範囲となりますが自由度は高いですよね。同様に、リモートワークやシェアオフィスも導入されているので場所も柔軟に選べますし、TPOに応じて社会人にふさわしい服装であることが前提ですが服装も自由に選べる点は、社員としてもありがたいです。
M. U:コンサルティングファームでは、プロジェクトごとに、必要なスキル・ナレッジを持つメンバーがアサインされ、都度プロジェクトチームが組成されることも、部署の固定メンバーと働くことの多かった事業会社との違いかなと思います。
また、プロジェクトのスコープやゴールは決まっていても、そのアプローチについてはプロジェクトマネジャーごとに自由に組み立てられるため、仕事の進め方についても自由度が高いと感じました。
T. K:前職時代と比べると、上司や先輩から降りてくる指示なども曖昧で、そもそも指示がないこともあるので(笑)、「クライアントが言っていたことを踏まえ、〇〇にも着手すべきです」といった提案を自分から能動的に行わなければいけない、という点に入社時はギャップを感じることもありました。
ただ振り返ってみると、今もコンサルタントとして働き続けているのは、こういった自由度の高い働き方や仕事の進め方が、自分自身にフィットしていると感じているからだと思います。
A. Y:能動的に動くというのは、常に当事者意識を持ってオーナーシップを発揮することですよね。KCには、『オーナーシップ』、『リスペクト』、『コラボレーション』という3つの言葉があり、社員であれば誰でも必ず言えるぐらい浸透しています。
M. U:また、プロジェクトへのメンバーアサインも、事業会社にはあまりない独特な仕組みと言えそうです。自分が担当するプロジェクト期間が終わると、個々のコンサルタントは一度Available(プロジェクトアサインがないこと)という状況となります。そのタイミングで次に始まるプロジェクトに応じて、スキル・職位からプロジェクトメンバーを構成していきます。アサイン前には、プロジェクトマネジャーとの面談を通じて、必要なスキルや求められる役割などを確認していきます。
A. Y:KCには、全社的なアサイン事務局と各部署にもアサイン担当者がいます。日頃からキャリア開発などの相談を行うパフォーマンスマネジャーやアサイン担当者などに対して、今後どのようなプロジェクトをやっていきたいかといった希望を自分から伝えていくことも大事かと思います。当然、プロジェクトの内容とメンバー構成は与件なので、個人の希望が100%通るわけではありませんが、そうすることでアサインの希望は通りやすくなると思います。KCは、他コンサルティングファームに比べ、部署単位で見ると組織規模はまだ大きくないので、自分の声が多くの人に届きやすい環境があると言えるかもしれません。
T. K:ビジネスについても同様のことが言えそうです。例えば、e-Sportsや宇宙ビジネスなどは、元々はゲームや天文好きなメンバーを中心に有志で集まり、ビジネスとしての可能性を探っていくところから始まったサービスで、今でこそKCが提供するサービスの一つまで成長しました。こうした取組みなどはもちろん社内展開されるのですが、組織が大きくないからこそ社員として手も挙げやすいし通りやすいと感じます。KCには、新しいことへのチャレンジを積極的にサポートしようとするカルチャーもあります。
その他、人材育成に関する情報や採用情報については下記リンクをご参照ください:
人材育成の必要性と、その方針 | KPMGコンサルティング採用サイト (kpmg-consulting.jp)