KPMGコンサルティングでは、組織におけるリーダーシップ開発に向け、グローバル共通のフレームワークを活用しながらさまざまな取組みを行っています。

 

今回のブログでは、KPMGコンサルティング会長の宮原正弘パートナーが考えるリーダーシップの本質や、実際の経験から得た学び、組織運営のポイントについてインタビューしています。是非ご覧ください!

 

Q1. 宮原さんがリーダーシップ発揮において心がけていることは何でしょうか?

リーダーとして心がけているのは、「責任を果たすことへのコミットメント」と「逃げない姿勢」自分の判断や行動に責任を持ち、失敗しても他人のせいにせず、体を張って向き合うことが重要だと考えています。特にマイクロマネジメントはリーダーが最も避けるべき行為であり、リーダーシップと管理者の役割を混同しないことも重要です。

マイクロマネジメントは部下の心身の健康を害するだけでなく、周囲の人から自分の考えを超える新しいアイデアが生まれなくなることが最も大きな弊害です。特にパートナーの皆さんには、配下のメンバーが勇気を出して意見してくれた場合は、絶対に否定せず、まずは感謝して受け取るよういつも伝えています。
それが出来なければ、配下のメンバーは二度と意見を出してくれなくなりますからね。リーダーは周囲の人が自由に意見を出せる環境を意識的に作ることが大切です。

 

その意味では、リーダーは、リーダーシップを発揮すると同時に、時にはフォロワーとして周囲を支えることも必要です。各チームで主導する取り組みにおいては、自分はフォロワーに回り、他のメンバーのアイデアや企画をサポートすることが、組織全体の成長につながると考えています。周囲のアイデアを受け入れ、サポートや建設的な批判を行うフォロワーシップを発揮することも良いリーダーの資質の一つです。

 

Q2. 多様な意見を丁寧に受け取っていくことの重要性を頭では理解しているものの、実際に行動し続けることは難しいと感じる時があります。宮原さんが日頃意識している点は何かありますか?

KPMGで多様なバックグラウンドを持つ人々と働く中で学んだ、「自分の常識を疑う」ことの大切さをいつも意識しています。パートナー同士での会話でも、「売上」「評価」などの言葉の定義・価値観が前職での経験によってそれぞれ異なっている場合があります。そんな時は、一歩引いて考えること、相手の言葉の背景には何があるのか想像することが重要です。

 

また、丁寧に会話を重ねていく姿勢も必要不可欠です。過去に新制度の導入を進める際、関係者間で意見が割れたことがあります。反対意見が残る中、強行に進めることも出来ましたが、反対意見の方たちとは、それぞれ個別に時間を取って、互いの考えやその背景を丁寧に聞き、取り入れるべきことは取り入れながら、必要な時間をかけて合意することで取り組みを前に進めました。異なる意見や価値観を受け入れ、時には自分の考えを修正する柔軟さが、より良い意思決定や組織運営につながると考えています。

 

Q3. 影響力があると感じるリーダーには、どんな特徴があるのでしょう?

過去に影響力があると感じたリーダーは、謙虚、かつ、人を巻き込むことに長けている人達ですね。

謙虚だからこそ周囲の人が巻き込まれるのだと思います。リーダーは聖人君主ではないので、自分が完璧である必要はありません。むしろ、自分に足りない要素を理解し、弱みを見せられる勇気が必要です。リーダーが偉いわけではなく、ポジションはあくまで「役割」に過ぎず、ヒエラルキーではないというマインドを持っていれば、人に対して謙虚でいられると思います。

 

Q4. ご自身のリーダーシップについての考え方やスタイルに対し、影響を与えた人・もしくは出来事についても教えてください。

これまで自分を信じて任せてくれた先輩達には感謝しており、自分のリーダーシップスタイルにも大きな影響を与えていると感じます。自分がコミットメントを見せた際に、経験値に関わらず、私を信頼して、オーナーシップを発揮できる環境を作ってくれました

失敗した時も、叱るのではなく、受け止め、建設的なフィードバックをくれ、それらの姿勢から学んだものは多いですね。

海外駐在時代には、米国のパートナー・マネジャーが配下メンバーの働く環境を丁寧にケアする姿勢が印象的でしたね。心地良く働けるプロジェクトルーム、クライアントとの良好なコミュニケーション、提案書の最後に毎回書いてある「Have fun」の文字、メンバーとの遊び心のあるランチなど関わるメンバー全員が活き活きと働ける環境整備に配慮し、一体感の醸成と常に感謝を示すことに対し、パートナー達が高い意識をもって対応していました。そのおかげで、自分自身も快適に働くことができ、いかにメンバーが心身共に健やかに働けるかが生産性や仕事の質を高める鍵だと学びました。

 

Q5. 過去の失敗から学んだ、リーダーシップに関する最大の教訓は何ですか?

これまでの経験を通じて、自分ひとりでは全ての仕事は出来ないことを理解し、人に任せることを覚えました。

他人のアウトプットを感謝して受け取り失敗を恐れずにどんどん任せる。そのうちに自分では思いつかないような方法やアイデアがチームの中から出てきたり、一緒に意見を交わしながらより良いものを作っていけたりするかもしれない。どうしても介入が必要な場合は、自分が責任を持って体を張って対応し、配下のメンバーも守る。任せることで人は育つし、リーダー自身も成長できると感じています。

 

Q6. 最後に、不確実性の高い現代において、KPMGで働くメンバーに求めるものを教えてください。

EQ(※)の高い人材にならなければ、これからの時代には生き残れないと思います。多くの仕事を生成AIが代替していく中で、専門性やハードスキルだけでなく、より際立って重要になるのは、人に影響を与える、人をモチベートする、共感するなどの人間力。同じことを言われても「この人にならついていきたい」「この人と一緒に仕事をしたい」と思うかどうかは、人間力にかかっています。発展していく技術やツールを使いこなし、効率化することも重要ですが、使いこなす側の人間力や細やかな気遣い・振る舞いがより一層重要になってきます。

 

ジュニアの皆さんは「社会人として当たり前のことを当たり前にやる」「インテグリティを持ってチームの一員として責任感を持って対応する」「違和感があったらリスペクトをもって声をあげる」こと、マネジャー以上の皆さんは「チームメンバーがわくわくしながら働ける環境づくり」「メンバーやクライアントにポジティブな影響を与える力」、パートナーの方たちはそれに加え、「責任を果たすことへのコミットメント」と「逃げない姿勢」などを特に意識してほしいと思います。

※Emotional Intelligence Quotient(こころの知能指数)

 

インタビューを終えて

宮原さんのお話の中で「人を信じ、任せる勇気」「チームを支える力」「謙虚さ」「逃げない姿勢」「多様性を受け入れる柔軟さ」「一体感の醸成」「活き活きと働ける環境整備」などのキーワードが印象的でした。

このインタビューが、ご自身のリーダーシップや周囲の人たちとの関わり方を振り返るきっかけになれば幸いです。

 

 

KPMGコンサルティングでは、近年のリーダーシップ研究・理論動向を踏まえ、リーダーシップを「影響力」、つまり「役職や権限に関係なく、他者の考え、価値観、行動にポジティブな変化を促す力」と定義しています。KPMGのリーダーシップに関するフレームワーク「Everyone a Leader(EAL)」 (すべての人が影響力を持ち、リーダーシップを発揮できる) を基盤に、KPMGコンサルティングの社員一人ひとりのリーダーシップと組織文化の醸成を目的としたプログラムを開発・提供しています。

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