KPMGでは、社会にポジティブなインパクトをもたらすリーダーを育成する取り組みを進めています。その一環として、KPMGは One Young World(OYW)のパートナー企業として世界の若手メンバーを毎年サミットへ派遣しています。
本記事では、Part1・Part2の2回にわたり、OYWの実際の参加者へのインタビューをご紹介し、OYWの様子や、そこから得た学びをお伝えします。
<OYW参加者のご紹介>
名前:H. I
入社年度:2019年10月
所属:Operation & Strategy
海外大学(Simon Fraser University)卒業後、2019年に新卒でKPMGコンサルティングへ入社。
サステナビリティ × サプライチェーンを軸に、循環型事業機会の創出や循環型ビジネスの実装支援に従事している。
OYWの概要を教えてください。
OYWは、社会課題の解決に関心を持つ若者たちが集う世界最大級のプラットフォームです。企業・行政・NPO・研究者・学生など、あらゆる領域で活動する若手リーダーが世界190か国以上から2,000名以上参加し、4日間にわたって議論やネットワーキングが行われます。
ドイツのミュンヘンで開催された今年は、①Circular Economy ②Anti-Hate ③Responsible Tech ④Education ⑤Peace & Securityという5つの主要テーマ(Plenary Challenge)が掲げられました。
プログラムは、著名リーダーの基調講演に加え、多国籍メンバーとの深い議論ができるワークショップ、登壇者と参加者が双方向で対話するインタラクティブセッション、少人数で課題の定義から解決策の検討・発表まで行うアクションセッションなど、形式も多岐にわたります。
KPMGもパートナー企業としてワークショップ開催やブース出展を行いました。特にResponsible Tech領域では KPMG Global Chief Digital OfficerのLisa Heneghan氏 が基調講演を担当するなど、組織としての発信の場も数多くあり、同じKPMGの一員として身の引き締まる経験でした。

▲One Young World会場の様子
参加された印象は?
参加者は、スタートアップ創業者・行政官・NGOリーダー・研究者・学生など、多種多様でしたが、共通していたのは、「自分が世界をどう変えたいのか」という明確な意思を持っていることでした。
原体験に根ざした言葉には説得力があり、その熱量に触れることができたのは大きな刺激でした。
また、OYWは参加者同士の距離が驚くほど近いことも特徴です。ビアホールでのディナーや移動中の立ち話から自然と議論が始まり、「また会ったね!」と声をかけ合うような空気感がありました。国籍や職位を越えて、未来を考える仲間として接してくれる姿勢が印象的でした。
参加までに、どんな準備をされましたか?
OYWは4日間のイベントですが、実際には約5か月の準備期間があり、この時間が非常に重要でした。
まず、KPMG Japan と Global のキックオフでOYWに向けた姿勢を学び、その後、Global Session Programで世界の参加者とのディスカッションに参加しました。各国の課題背景や価値観の違いに触れ、対話の構えが徐々に身についていきました。
日本のメンバー同士でも勉強会を重ね、テーマごとに資料を持ち寄ったり、社内研修を活用したりして英語で議論の練習を行いました。私はサーキュラーエコノミー領域を中心に日本国内の課題や事例研究を行い、現地での議論に備えていました。
さらに、事前学習として現地で訪れたダッハウ強制収容所での時間は心に深く残っています。歴史の重さに触れ、「同じ過ちを繰り返さないために今何を選ぶべきか」を自分に問い直す時間となりました。
どのような思いで参加を決めたのでしょう?
私が参加を決めた理由の中心にあったのは、「課題を自分ごととして捉えてもらうにはどうすればよいのか」という問いでした。
サーキュラーエコノミー支援に携わる中で、どれだけ正しい情報を伝えても行動が変わらない場面があり、どうすれば人が動く瞬間を生み出せるのか、ヒントが欲しいと思ったことがきっかけです。他のメンバーも社会課題や多様性に向き合う中で、自分の立場からどう行動すべきかを模索しており、その姿勢にも背中を押されました。
実際に参加して、どんな学びがありましたか?
OYWでの経験を通じて、「どうすれば人は動くのか」という問いへのヒントを得ました。それは、相手を動かそうとする前に、相手が自然と動きたくなる環境をつくることです。どれだけ合理的で正しい提案でも、相手は感情を持つ存在です。まずは相手の状況に自分を置き換え、安心して話してもらえる空気をつくることが大切だと、世界中の参加者との対話を通じて実感しました。
そして、もう一つ大切なのは、自分自身の軸を持つこと。「なぜこの課題に向き合うのか」「何を大切にしているのか」を自分なりに言語化している人ほど、相手の心に響く対話ができていました。セッションを行っていく中で、私自身も、相手を動かす前にまず自分を理解すること、そして価値観や背景の違いを前提にした違いを尊重する対話を意識するようになりました。
プロジェクトの場でのコミュニケーションにも変化が生まれています。相手の思いや考えを引き出す対話を心がけ、相手が言葉を探しているときは急いで空間を埋めず、自然に出てくるのを待つようになりました。意図を汲み取りながら問いを重ねるインタラクティブな対話を意識できるようになったと感じています。

▲KPMGジャパン参加メンバー
次に参加するKCメンバーへのメッセージをお願いします。
大きなアクションを目指そうとすると、動き出すのに勇気がいることもあります。
しかし、OYWで繰り返し語られていた“Every action counts.”(すべての行動に意味がある)という言葉の通り、まずは半径5mの小さな一歩から始めてみてほしいです。
Part2では、実際の会場の雰囲気や4日間でどのように過ごしたのかを具体的にお伝えします。