KPMGコンサルティング(以下、KC)では、キャリア採用向けに定期的にオンラインセミナーを行っています。その中から、『現場コンサルタントによるトークセッション ~コンサルタント未経験からの転職、転職で得られた成長とやりがい~』と題して行ったセミナーについて、イベントレポートという形でお届けします。

前編は入社理由から現在の業務、コンサルタントとしてパフォーマンスを発揮するまでの立ち上がりを中心に、後編はKCのカルチャーや働き方を中心に、具体的なエピソードを交えて現場コンサルタントが語っており、入社後のご自身をイメージいただきやすい内容となっております。

前編はこちらから

 

■登壇者

 

登壇者一覧
 

■コンサルタントになって、成長したと実感できる点はありますか?

T. K:「何が来てもとりあえず何かを打ち返せるようになった」と感じます(笑)本当に、プロジェクトごとに取り扱うテーマや領域、クライアントの業界や業態なども異なるので、プロジェクトが変わるたび、新しい仕事をしているような感覚があります。知らないところからスタートするのが当たり前だったりするので、「1週間あれば何とかモノにできる」というマインドセットやキャッチアップの仕方について、力が付いたと思います。

毎回新しいことに取り組むといっても、実は抽象度を上げて捉えてみるとプロジェクト推進に必要なエッセンスは共通していて、それがコンサルティング基礎力だと思うのですが、同時にキャッチアップ力が底上げされたのだと感じます。

 

M. U:フレームワークを活用して効率的・効果的に物事を整理して検討していくことであったり、ゴールから逆引きして全体計画からタスクに落とし込んでいくアプローチの仕方などは、事業会社のときも感覚ではやっていたように思いますが、文書化しクライアントも合意しながら進めていくので、より洗練されたように感じます。また、ほとんどのプロジェクトにおいてシステムが絡んでくるため、IT部門の方ともお話できるように、IT関連の知識はかなり勉強しました。デスクトップリサーチや書籍を読んだり、ITベンダ出身の先輩に分からないところを教えていただいたり、と色々な方法で学習しました。

A. Y:IT・デジタルへの知見は全社員が求められることなので、社内でもたくさんの研修コースがあります。その他、実際のプロジェクトを扱うケーススタディ勉強会などもあるので、まだ担当したことのないようなプロジェクトであっても、例えばDX変革はどのようなステップで進めていくのか、などの理解に役立てることができます。

T. K:クライアントと日々直面していると、ありがたいことであるのですが、私たちコンサルタントに向けられる期待値が本当に高いと感じます。何とかしてくれるだろうと(笑)何としてもそれ以上のものをアウトプットを出さなければならないと強く意識しています。そこが難しくもあり楽しくもあります。当然それをずっとやり続けなければいけない大変さもあるのですが、クライアントから「知らなかった」「言ってもらえて気づけた」などと言ってもらえると嬉しく感じますね。

 

■働き方やカルチャーなどについても教えてください。

T. K:KC入社時は相当ハードワークなのかなと不安はありました。入社して5年ほど経ちますが、当然プロジェクトごとに忙しさもさまざまですし、瞬間風速的に非常にハードなこともありますが、基本的にはヘルシーに働いていると感じています。たまに出社しても、20時ぐらいになるとオフィスからほぼ人がいなくなりますし、いつも健全な時間に終業できています。土日に働くこともレアですね。
プロジェクトの合間には長期休暇も取りやすく、メリハリがある働き方ができていると思います。例えば、10月末にあるプロジェクトが終わり、次のプロジェクトは12月から開始というタイミングで、1ヶ月の空きがありました。そういうAvailableな期間は、次のプロジェクトに向けた準備を進めたり、別のプロジェクトの提案活動をしたりするのですが、そのときは2週間のお休みをいただいて海外の山に籠って趣味のアウトドアを楽しみました。

 

M. U:昨年は相当忙しかったです。というのも、昨年は産休明けで働き出したタイミングで、毎日16時にお迎えがあるため、そこで定時として仕事を区切り、子どものご飯や寝かしつけなどの育児を行った後、仕事を再開するという日々が続き本当に大変でしたが、毎日の残業時間は2時間程度でした。ただ、私自身とても疲れてしまったので、年末から1月にかけては有休を使って1ヶ月ほどのお休みをいただきました。2月から新しいプロジェクトが始まるので、直前の1週間だけ戻ってきたものの、E-learningを受講したり採用活動に協力したりと、緩やかな休み明けでした。

 

A. Y:お二人とも有休を使ってのお休みということでしたが、もう少し長く休みを取りたい場合には、KCにはサバティカル休暇という制度があります。趣味に没頭する充電期間であったり、海外に勉強しに行ったり、一定条件を満たせば用途なしに最大で1年間の休みを取ることができる制度で、社内でも実際に使われている方が多くいらっしゃいます。社員がプロフェッショナルとして長く生き生きと働くことを目的とした長期特別休暇制度です。

 

■育休や子育てと仕事・キャリアの両立についても教えてください。

M. U:私は、産休と育休を合わせて、1年半ほどお休みをいただきました。プロジェクトは期間が決まっているので、不在時の業務のしわ寄せが特定のメンバーにいくといったこともなく、長期休みに入る時も復帰後も心理的なプレッシャーをそこまで感じることはありませんでした。育休期間の更新にあたっても、その期間中に自分の役割を誰かに一時的に代理対応いただいているわけでもないので、申し訳なさを感じることなく気楽に延長することができました(笑)

 

A. Y:コンサルタントはジョブ型雇用*で、プロジェクトに対して都度必要なメンバーをアサインするという働き方なので、産休・育休に限らず、サバティカル休暇などの長期休暇と相性がいいと言えるかもしれませんね。
*社員に対して職務が割り当てられるメンバーシップ型雇用と異なり、特定職務に対して社員を割り当てる雇用方式

 

T. K:私のチームも子育てしながら働いているマネジャーが多いです。会議NGの時間帯など、スケジューラにあらかじめブロックされていて、育児などをした後に戻って仕事していらっしゃる方もいますし、男性女性限らず育休を取ったり子育てしながら働くのも当たり前な印象を受けます。

 

A. Y:KCの育休取得率は、2023年に男女ともに100%になりました。私がいち社員として誇らしいのは、男性の育休の平均取得日数が81日と、ある程度纏まった日数になっていることですね。中には1年ほど休まれる方もいます。

 

M. U:実は、以前からマネジャーを目指して頑張ってきたのですが、次の評価時期にようやくマネジャー昇格が見えてきたタイミングで、妊娠が発覚しました。ちょうど産休に入る最終出社日に昇格の通知が届き、育休産休が評価や昇格に影響を与えず社員のパフォーマンスが適正に評価されていると実感することができました。

今は自分がマネジャーとして下位メンバーを評価する立場になり、改めて個人の頑張りを適切に評価していくことの重要さとその責任を感じています。

 

■中長期的なキャリアプランについて教えてください。

T. K:短期的な視点で言うと、コンサルタントとしてさらに幅広い業界へ支援をしていきたいと思っていますが、外部からの支援だけでなく、もっと変革の真ん中で推進役としてやり切りたいという想いも芽生えてきたので、中長期的には事業会社であったりベンチャー企業に入り直すという選択肢もあると考えています。

 

A. Y:個人的な所感となりますが、KCは事業会社出身者も多いので、コンサルタントとして経験・スキルを積み上げた後、事業会社に戻る方も多くいらっしゃるように感じます。中には、事業会社に戻った結果、やっぱりビジネススキルをもっと磨き上げたいのでコンサルタントに戻ることにしました、と言って再入社されたメンバーもいらっしゃいます。

 

M. U:私自身はKCで長く働いていけたらいいなと思っています。子どもが小さいうちは子どもとの時間を大切にしたいと思っているので、家庭と仕事の両立の適正なバランスは私自身も模索中ですが、まずは長く働いていくことで見えてくることもあると思うので、大変な時期が来てもピークをやり過ごして、なんとか続けていきたいと思っています。そうすることで、これから子育てを経験するメンバーにとって、1つのロールモデルになっていけたらと思っています。

 

A. Y:それも素敵な考えですね。私自身、仕事に打ち込むあまり一時的に疲弊してしまったことがあり、がむしゃらに働いてスピーディーに昇格していきたいというよりは、一歩ずつ自分のペースで着実に成長した結果昇格できたらいいなと思っています。一方で、とにかくさまざまな経験を積んで最短でマネジャーになりたいという方もいます。例えば、新卒入社した社員の中には、5年目でマネジャーになった方もいます。また、マネジャー以上には、特定分野に特化し高い専門性を武器に、管理職であるマネジャー職とは異なるスペシャリスト職というキャリアパスもあります。個人の働き方やキャリアに対する価値観も多様化する中、これからの時代において、多様な人材の活躍こそが企業のレジリエンスを高める鍵となってくると、KCは考えています。そのため、社員一人ひとりの価値観が尊重されるよう、キャリア開発においてもさまざまな選択肢があります。

 

M. U:女性活躍推進に向けては、WOVEMENTS®*という活動もありますね。ギャザリング、女性管理職のヒストリーを纏めたキャリアブック、キャリアについての講演会など、日々活動を行っています。その他、育児と仕事の両立をテーマとしたワーキングペアレンツネットワーク、育児休業中の社員がつながるためのネットワークなど、部署や職位の垣根を超えて交流したり情報共有できる機会もありますね。

 

■最後に、セミナー参加者の方へ向けてメッセージをお願いします。

T. K:普段採用面接を行うことも多いのですが、私の周りでコンサルタントと活躍している方の傾向を見ると、不確実性のあることを楽しめている方が多いように思います。昨今の少し先の未来ですら予測しづらい時代において、クライアントをいかに導いていくかということが求められるため、必然的に日々コンサルタントは不確実性の高い課題などに向き合うことが多いと感じています。不確実なことに対して身構え過ぎることなく楽しめるマインドは、コンサルタントととても相性がいいように思います。

 

M. U:少し近しい意見になってしまうのですが、さまざまなことに興味を持つこともコンサルタントに必須なマインドだと感じます。常に新しい業界や新しい分野のプロジェクトに携わることになるので、当然常にインプットも求められます。そうしたことを楽しめる方には本当に楽しい仕事だと思うので、ぜひチャレンジしていただけたら嬉しいですね。

 

ぜひ前編・後編の両方をお読みください:前編はこちらから

 

その他、社員のキャリアについてや、IDEの取り組みについては下記リンクをご参照ください:

社員の多様なキャリア~Find your way

インクルージョン、ダイバーシティ&エクイティの取組み | KPMGコンサルティング採用サイト (kpmg-consulting.jp)